月星座がかに座（蟹座）の人の性格・その1～厚い殻の下にある隠しきれない繊細さ～

　月がかに座にあるというのは、もともとあなたがスポンジのように柔らかく、ちょっと甘えん坊であることを意味します！
　ところが奇妙なことに、自分にとってもっとも大切な人、もの、大義、信念……を守りたい、それらを何よりも大事にしたいと心の底から願うあなたは、厚い殻で自らを防御するのを好みます。自分がいかに傷つきやすいかを潜在的に自覚しているからこそ、「お涙ちょうだい話になどだまされてたまるものか」と固く決意しているのでしょう。ポール・サイモンの歌のごとく「私は岩だ。私は島だ」と高らかに歌い上げて、他人そして自分自身をも納得させるのです

　しかし、時にその内なる感情の海にも荒波が押し寄せます。
　そうなると、普段のあなたが装っている能天気さも、「私をバカにしてはいけない」と張り巡らせている鉄壁のプライドも形無しです。すべては無残に崩れ去り、あなたは心配に押しつぶされて震えるばかり。そんなときのあなたは、たとえそれが逆効果だったとしても、安心のためにならほとんど誰でも信じ、何だってしてみせるでしょう。

　心理学者は、すべては母親との関係ゆえにもたらされている、と言うかもしれません。占星術師としては……そうですね、「ニワトリとタマゴどちらが先か」的な懸念はあるものの、少なくともかに座の月を持つ人は、男性であろうと女性であろうと、自分を産んでくれた女性と愛憎相半ばするような関係にはならない、という点では心理学者に同意します。極端な憤りや激しい崇拝といった形になる可能性があるにしろ、かに座に月を持つ人は、母親に対してある1つのとてつもなく強い感情を抱くでしょう。
　もっともそれが逆に罪悪感や強烈な承認欲求、周囲の人たちに無条件に甘えたいという不適切な願望と懸命に戦う必要性をあなたにもたらしてもいるのですが。

　繊細さはあなたのミドルネームのようなものです。それを否定したり「センス」と呼び変えたりしたところで、あなたは自分のナイーブさから逃れることはできません。他人からどう思われるかを非常に重視するあなたは、複雑な自己防衛システムを構築し、それを維持するのに人生のすべてを費やしているかのようです。

　そのせいか、時にあなたは「十分に外向的でさえあれば、誰にも自分の心理的鎧の隙間を見つけられないはず」だとか「誰とも関わらなければ不快感を相手に与えることもないだろう」といったふうな極端なものの考え方をする傾向があります。
　でも、どうにもうまくいきません。セックス、権力、お金などに貪欲になってみたりもしますが、かに座の月はあなたに安心感へのとめどない渇望を与えるばかりです。それどころかあなたは、「安心感を求めることは当たり前だ」という事実にさえ、「本当にそれは当然だろうか？」と不安になってしまうのです！
　あなたの親しい人たちは（皆がそろって聖人君子を目指しているのでもないかぎり）、しばしばあなたに安心感を与え続けるのに疲れてしまうでしょう。