月星座と太陽星座の物語~占星術の歴史をひもとくと……Part2~

更新日:2024年2月12日
公開日:2024年2月3日
 今回は、太陽星座と月星座の物語の続きについてお話しします。ところで前回までの話を覚えていらっしゃるでしょうか? もしお忘れになってしまったのなら、まずはこちらを読んでくださいね!
目次

歴史を変えた一冊の週刊誌

不吉な予言がもたらした成功

 状況に変化が生じたのは、1930年になってからです。『サンデー・エクスプレス』が最初の定期刊行週刊誌を印刷し始め、そこにプロの占星術師のコラムが連載されるようになったのです。
 R.H.ネイラー氏の手による占星術連載はもともとかなり辛口のものでしたが、あるとき彼は「天が空の旅を不吉なものにしている」とほのめかす文章を記しました。そして……数日後、R101飛行船が墜落事故を起こしたのです。
 皮肉なことに、このいたましい出来事はネイラーに名声をもたらしました。その後彼が書いた、さまざま年代に生まれた人たちが等しく楽しめるエッセイ「星が予言すること」は大ヒットし、人々は「もっと読みたい!」と熱狂しました。占星術を取り巻く状況はこのとき、一変したのです。

早見表が入らない!

 ネイラーと『エクスプレス』紙の経営者であるビーバーブルック卿の会話を想像してみてください。きっと次のようなものだったでしょう。

卿「もっとこういうことをやってくれないか?」
ネイラー「ええ、いいでしょう。月星座を使って人々に予言を届けましょう。つきましては、私に数ページをください。人々が自分の月星座が何かを調べられる早見表を掲載する必要があります。それさえできれば、それぞれの月星座用にカスタマイズされた『一週間の運勢』を連載できますよ」
卿「数ページ? そんなスペースを割くのは無理だ。紙がもったいない。紙は無尽蔵に生えてくるわけじゃないんだぞ! もっと他に何かないのか? 調べる必要のないものは?」
ネイラー「そうですね……太陽のサインを使えばいいんじゃないですか?」
卿「太陽のサイン? それは何だね?」
ネイラー「太陽星座は、月星座ほど性格や未来について具体的に示してくれるわけではないのですが……一つだけ明確な利点があります。太陽の動きに基づいているんです。だから、毎年ほとんど同じパターンになります」
卿「つまり?」
ネイラー「何ページもの早見表は必要ありません。12星座の区分けを記した小さな表があれば十分です」
卿「すばらしい! さあさあ、葉巻をどうぞ、存分に楽しみたまえ」

 ――こうして、新しいムーブメントは誕生しました。誰もがわかりやすく、そして省スペースで連載できる「太陽星座占い」は人気を呼び、特にアメリカではあらゆる新聞がこぞって掲載するようになりました。

そして、すべてが変わりました

 これが、「歴史」です。
 どんな歴史もそうであるように、人々の選択が歴史を作り、それは最大限重んじられるべきです。……たとえ、まじめな占星術師にとっては必ずしも喜ばしくない歴史であったとしても。
 月星座のことを忘れ去り太陽星座だけに熱狂するのは、すばらしい交響曲の全楽章を聴かずに片手だけのピアノで奏でた「ダイジェスト版」だけで満足するようなものです。あなたの本質、そして未来は「ダイジェスト版」だけで語り尽くせるようなものでしょうか? もちろん違いますよね。
 あなたはご自身の「月星座」をご存じですか? ケイナー・ホロスコープなら、ご自身のホロスコープで正確な月星座を確かめていただけます。なにしろ月は地球のまわりをひと月足らずで回っているとても足の速い星です。精密な計算をしないと、正しい月星座を導き出すことはできません。
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