金星星座がいて座（射手座）だということ・その1～自然とクリエイティビティ～

　いて座に金星を持つ人は、自然に多少騙されたような気持ちになるかもしれません。なぜなら弱々しく元いた場所に拘泥（こうでい）する肉体のなかに、自由で力強い鳥の精神を宿しているようなものだからです。そのせいかあなたは、事情が許すなら、できるかぎり遠くへと旅しようとします。
　もしあなたが大金持ちで、いつでもどこへでも自家用飛行機でひとっ飛びというなら話は別ですが、そうでないなら、あなたは常に放浪したいという欲求を抱えて生きることになるでしょう。鮭やバッファローのように回遊する生き物、数時間で地球を横断してみせる気象システム……あなたの興味を惹きつけるものにキリはありません。

　そうした人生と同様、愛もまた、あなたにとっては旅でなければなりません。あなたはいつでも自分たちのパートナーシップがどこかに向かっている、何かとつながっている、なんらかの形で成長しているという実感を欲しがります。同じ道を往復したり、習慣を守ったり、ルーチンを繰り返すことになんの意味があるというのでしょう？　そうですよね？

　しかし、あなたがもし愛に包まれた人生を送りたいと願うのなら、自分とは異なる人々、つまりよりのんびりと人生を歩く人たちのニーズを理解しなければなりません。次々と移動するあなたは、ある種の人たちを不安へと追い立てます。あなたは破天荒な力の象徴であり、破壊的な影響力を持ち、彼ら・彼女らが人生を賭して懸命に守ってきた安定と一貫性に対する脅威に見えてしまうのです。

　新しいものや異なること、大胆な振る舞いを探究するのを止めることはできないでしょう。けれども、他人が自分について来られないときに「失敗した！」と大騒ぎするのはやめられるはずです。愛する人との関係に漂う停滞を過ちと考えるのをやめ、もっと大らかに構えることができれば、彼ら・彼女らもあなたに身構えるのをやめ、もっと落ち着けと指図してこなくなるでしょう。
　考えてみてください。そもそも同じ場所に留まる自由がないのは、本当の自由と言えるのでしょうか？

　何をするにしても力強く！　まるで『くまのプーさん』のティガーのように、あなたは抑えがたい熱意とエネルギーに満ちています。ピグレットのどんぐり、イーヨーのアザミ、プーさんの蜂蜜……いろいろ試した末に、ティガーが麦芽エキスという変わった好物へとたどりついたように、あなたの嗜好は“そこそこ”のものを好むわけではない人達すらも試されていると感じるほど変わったほうにばかり向けられます。
　今日はジャズとラップ、明日はバッハ。今日はゴーギャンで昨日はコンスタブル（編注：19世紀イギリスの画家）。来週は温湿布を試してみるつもりだけれど、今週のところは痛みや苦痛のある人におすすめしたいのは冷たいシャワー。

　もちろん私は自分の言いたいことを伝えるために大げさに言っています。けれどもあなたは実際、時にそんな振る舞いをしますよね？

　いて座に金星を持つ人は、必ずしも万能ではありません。が、ルネッサンス期の偉人たち同様、守備範囲が幅広いのは確かです。金星はあなたに高い水準に達しようと努力を重ねる決意と勤勉さを授けますが、同時にあれこれ手を出しすぎて次にどうしたらいいのかわからなくさせてもしまいます。
　でも、あなたは基本的に決して現状に甘えたりしません。創造性が失われ、マンネリに陥ることもありません。とにかく「前進あるのみ」です。あなたのキャリアパスを振り返ってみたとき、これほど的確な言葉はない。そうでしょう？